起きるなり

 昨日は夜なべして、コピーしてきた25号を送るように手紙を書いた。今朝は朝寝坊していたら、ばあちゃんが出て行く音がした。6時だ。新聞を玄関に入れて、また戸を閉めて出た。行ってみると、長靴が残っている。「ばあちゃん、長靴はくのよ」と言わない限り、つっかけのままだ。どこでも行くから、つっかけはいたむ、足は汚れる。
 いつになっても帰らない。「朝ご飯を食べねば」も頭になくて、このまま夕方暗くなるまで、草を求め放浪するのだろうか? 
 でも、今日もデイサービスなんだよ。7時40分に呼びに行った。やはり畑で草を引いていた。稲の育苗箱(いくびょうばこ)を並べて置く土地だから、普段は使わないただの平地だ。草を引いてところどころに盛り上げて置いている。「ばあちゃん、広げて草を乾かして。盛り上げたら、雨が降ったら、また根がおりるよ」と言うと、しぶしぶ広げる。草を引くけれど、あとの処理法なんか、とっくに忘れたものね。
 まぁ、連れて帰って、ご飯を食べ、デイサービスに行かせた。「あやつり人形、あやつれず」だ。目を離すと、糸が切れた凧のように飛んで行く。