大きい、小さい、近い、遠い

 ばあちゃんのご飯につきあっていると、おもしろいことに気がついた。
 おかずを入れた小皿に、例えばなんきんでも、複数個並んでいると、遠い物を取りたがる。右手のお箸から、近い物を取ればよいのに、どうして遠い物に、目がいくの? 盛り上がってのっていると、下から引っ張りだすこともある。一番上のが、とりやすい、と思うのは私だけか?
 例えば、二つあったとして、近くて大きい物と、遠くて小さい物なら?
 メモに絵を書いてみた。なんきんを丸く書いて「ばあちゃん、近くに大きいなんきん、遠くに小さいなんきん。どっちを取るの?」と訊くと、あわてて、本物のなんきんを探している。絵に描いた「まる」では、抽象的で、わからないわねぇ。
 ばあちゃんは、もしかしたら、無意識で「小さいほう」を取ろうとしているのだろうか?「遠慮のかたまり」かしらね?