見えなかった

 今日はばあちゃんが1泊のステイから帰ってくる。例会の途中でぬけて帰ってきた。夫にばあちゃんのようすを聞く。
 ばあちゃんは、言うことをきかない。2時半頃、ステイから帰って来て「待って、と言われた」と言う。玄関は閉めてあった。送って来たスタッフが「ちょっと待って。留守かどうか見てくる」のつもりで言ったのを、「待っていて、一緒に行こう」と受け取ったらしい。待っているつもりらしい。まだ、車が迎えに来る、と思っているらしい。夫が「着替えろ」と言っても着替えない。外出着のまま、出て行ってしまった。夫は「わしの言う事、きかへん。ばあちゃんが家に帰ったときに、おまえがおらんとあかんようになった」と言う。以前は帰ってきて、興奮している時は、私がいないほうがうまくいったのだ。私はわざと姿を隠していたりしたものだ。今はあかんらしい。
 畑に行ってみたが、ばあちゃんが見えない。上の畑にいないので、下の段も探して、また上にもどると、なんと、なすの木の下にいた。見えなかった。いなかったらどうしようと思った。
 前のように、畑に行って、私がいなかったら診療所に行く、という事はなくなった。診療所を思いつかないらしい。家に帰ってくるようになった。しかし、今日は帰らず、私が畑に来るまでにばあちゃんとすれちがわなかったので、ばあちゃんがどこかに行ってしまっていたら、探しようがない。
 今日は興奮したまま、草引きに夢中になったらしい。「ばあちゃん、よそ行きの服をきたまま、畑に来たらあかんで」と言うとむにゃむにゃ、ごまかした。