子育て支援

 保育園に「芋掘り招待状」を出したら「子育て支援」グループがやって来た。その保育園が定期的に開いている「子育てグループ」なのだろう。親子13組で、一組だけ子供が二人来た。
 小さい子は2歳、3歳、と言う。「芋掘り」だと聞いて、母親が準備した大きな軍手をして、おもちゃのくまでやスコップを握っている。子供に軍手は要らない。させたければ、小さい手袋か、伸びちぢみするタイプが安売りショップや手芸店で売っているだろう。ぴったりの物をつけさせないと、仕事にはならない。第一、どろんこ遊びができない子に育ててどうするの?
 と思いながらも、そんなことを口に出している場合ではない。「キャー!」と声があがる。母親が「虫!」と言いながら、小さいムカデを、土ごとミニスコップに入れて、放り投げた。私が「あ、ムカデね。かむから、さわったら、だめよ」と言うと、また1匹いたらしい。放り投げた。「ムカデは、よく2匹でいるのよ。1匹がいたら、つれあいもいる、と思ったほうがいいよ」とまた教えておく。
 うちは、観光農園ではない。教育農園だ。だから、芋畑のまわりを囲む魚網を見せて「これは何のため?」と訊くと、一人ぐらいは「イノシシが来る」と言える人がいる。
 芋掘りはなかなか進まない。だって、おもちゃの道具で、子供にやらせようとするから。「お母さんが掘りなさい」と言って、やっと終わる。芋は小さかったが、まぁ、しかたないさ。お天気のせいだもの、ということにしておく。
 掘った芋をビニール袋に入れて、置いておく。上の段の畑に移動して、野菜の名前当てをする。 「大根を引くよ。一人、1本です。だから、大きいのを探さないとだめ。」と言うと、さっさと散らばって探しに行くのは、4歳だ。やはり、これぐらいにならないと、楽しみは、親のものかな? 人参も1本ずつ。まだ小さいけど、葉っぱがいきいきしている。
 菊の花を取りに行く。とちゅうで、ななくさ育成園の芋畑にしてある、トタンの柵に気がついたらしい。私が「これは、何をよけるのでしょう?」と訊くと、4歳の子が「いのしし」あ〜、4歳になると、人の話を聞いて、覚えて応用もするのだ。「賢い!」と誉めてあげた。
 まぁ、これで、今日の芋掘りは終わり。
 それにしても、13家族が来るのに、車が8台!車で自由に移動できる、明るくくったくのない母親を「子育て支援」する必要があるの? 対象者を選び間違っているのではないか?と思った1日だった。