昨日は?

 昨日、パソコンをしている私の後ろで「ようけ、車、おる。見に行ってくる」と言っていたばあちゃんのその後...出て行った。長靴で...
 あわててパソコンを終了し、上着を着ているまにもう姿は無い。玄関でチャイムの音。開けるとボスだ。なんで?北海道の旅と「さくらちゃん芋掘りツアー」で同行したボス。にこにこ笑っている。「私、ばあちゃんを追いかけるのよ。今、出て行ったから」と言うと、ニコニコして手招きする。家の前に止めたボスの車を指さして、助手席を見ろと言う。あれま、ばあちゃんが乗っている。なんで?「いやぁ、『どこでもええから連れて行って』と言うんで...」と言う。次に後ろの席を指さすと、しずこさんが乗っている。なんでまた?「しずこさんと二人で、保養所に泊まるねん」と言う。その途中なのか。
 西宮市のさくらちゃんマンションから山越えをして、うちの前まで来ると、トンネルに入ろうとするばあちゃんをみつけた。「ばあちゃん、どこ、行くの?」と訊くと「どこでもええから、連れて行って」と言ったのだそうだ。それは、それは捕まえてくれて、送ってくれてありがとう。助かったわ。ほっておいたら、ななくさに直行していたよ。「ばあちゃん、おりて」と言ったとしても、車に乗り込んだばあちゃんはおりそうにない。「しかたないねぇ。喫茶店に行ってみる?」ともちかけてみたら、ボスがのってくれて、助かった。
 ボスが「ばあちゃん、どこに行く?」と運転しながら訊く。「わかりません」とばあちゃんが言う。「どこでも好きなところに行ってあげるよ」と言う。「どこでも連れて行って」なら誘拐もできるか?でも、こんなわからずやばあちゃんは、お守りできないから、ね。ただちに抹殺するかい?困るナァ。 
 バス停の喫茶「我夢」に行った。注文は紅茶とホットケーキ。「おいしい」まではよかったが「あの人にもあげて」には、まいった。しずこさんは小食だし、ボスは間食はしない。「ばあちゃん、食べなさい。僕等は昼ご飯が遅かったし、おなか、すいてないから」と言っても「そんなん、悪いわ」と気を使う。ちょっとだけしずこさんが食べてくれて納得した。
 ばあちゃんはデイ気分だ。「ここにおってもええか?」と訊く。「ええよ」と言うと「これからどないするのん?」と訊く。「今、おやつやから、食べたら帰るよ」と言うと「ここで泊まったらあかんか?」と言う。「あかん」と言うと、だまった。ばあちゃんはほかのお客さんの赤ちゃんを見て「おぅ〜、かわいいな」と言う。しずこさんが「いくつ?」と訊くと「1歳半」と言われた。「かわいいな〜」とばあちゃん二人して言う。私が「この二人は少々認知症でして...でも、小さい子は好きよ」まぁ、見て知っておいてください。やっと家に帰れた。ボス、ありがとうね。楽しかったわ。こうして、間に誰か、クッションが入ってくれると、とてものんびり対応できるね。私一人が連れ戻しに行くと、黙って歩いて帰るだけだもんね。