ばあちゃんに苺を食べさせた。小皿にのせて出す。「これ何?」と訊くと「きんかん」と言う。「いいえ これ何?」「きんかん」しばらく繰り返す。なかなか出てこない。というよりも「きんかん」だと信じて疑わない様子。
 ちなみに前回は「これ 何?」と訊くと「なんきん」「違うよ これ何?」「#*&¥」つまり自分の答えが間違いだったことには気がついたのだ。そして早くに「苺」に到達した。
 今日はしつこく「きんかん」だ。次は「コロッケ」ときた。ばあちゃんは年をとってから、買い物に行くとよくコロッケを買ってきていた。好きなんだと思っていたが、違うのかも知れない。「おかずと言えばコロッケ」しか思い浮かばない。買う物のレパートリーの狭まりという、認知症の初期症状だったのかも...