やりたくない

 昼ごはんに帰るが、ばあちゃんは出てこない。部屋に見に行くと、布団から半身を起こして、目は外を見ていた。
 2時半に起こしてご飯を食べさせ、畑に連れて行く。「やりたくない」の気持ち、ありあり。傘を杖がわりに来たので「雨ふる」と言う。いつもは「ばあちゃん、空、見て。雨!」と教えたり、降っている雨を顔に受けて、と確認しても、まだ「はぁはぁ」と言いながら草引きに執着するくせに、何だ?
 草の引き方も毎回初心者だ。ばあちゃんが好きなようにやらせていると、思いついた畝にとりついて、手で草をちぎっている。「ばあちゃん、道具を持ってしぃ」と言って、置き場に連れて行く。左手に缶かん、右手に鎌を持つ。「ばあちゃん、草をちぎったらあかん。根っこを鎌で起こすんや」と言ってやらせてみるが、右手で起こして左手で草を拾うというのができないらしい。「こうやるのよ」と教えるが、右手で起こしたら、鎌を捨てて右手で拾ったりする。このまま、鎌を置き忘れたりするのだな。