雨宿り

 ステイから帰って来たとき、黒い雲が出ていたが、ま、大丈夫だろうと思い、ばあちゃんと畑に行った。が、すぐに雨が降ってきた。ばあちゃんに傘を渡し、隣のおじさんの小屋に入れた。いすがあるので、かけさせた。私はかっぱを着て、作業を続けた。
 夫に「迎えに来て」と電話をかけた。ふと振り返ると、ばあちゃんは傘をさして草を引いている。小雨でたいしたことないとはいえ、そこまでするか?ばあちゃんの辞書には「雨宿り」は無いらしい。
 夫が連れて帰ってくれたので、安心して続きの作業ができた。おまけに雨はやんで、お日様が出てきた。それでも、ばあちゃんは来ない。
 あとで訊くと、ばあちゃんは「何、しますのん?」と訊くので、夫が「畑に行ったらええやん」と言うと「はたけ、行ったら、怒られます」まったく、必ず、逆らう。「勝手にせい」と言うと、廊下の机の上をごそごそ、あっちの部屋を開け、こっちの部屋に入り、トイレに行き、はては外に出てみたり...ご苦労さん、だ。「じっとしている」は無理だもんね。