「皆に出してあげる」

 朝、ばあちゃんがごそごそ。5時40分だ。廊下にはいない。となりの下の間だ。冷蔵庫を開けて、パックを手にしている。「ばあちゃん、何、してるの?」「何もしてへん。あけただけや」「あけるのが、いかん。手に何、持ってるの?」「皆に出したげよ、おもぅて」まあまあ、よくも、そんな、すらすら、思いつくね。脳みそを通過しなくても、言葉は出るさ。