紙パンツ(おむつ)

 ばあちゃんはデイサービス。留守の間に畑の芋ほりに行く。
 帰りは主任さんが送ってこられた。「今日の夕方はどうですか?」と言われた。そう言えば「家庭訪問。また来週」と言われていた。すっかり忘れていた。「今日はだめ」と言うと「忙しいんですね」と言われた。忙しいといえば忙しい。たまたま人が来るときにあっただけだ。立ち話で聞く。
 ばあちゃんのおむつの件。「おむつをする前と比べて、トイレに行く回数が減った」そうだ。「入浴前にもパンツがぬれていることはなかったのに、紙パンツにしてからはちょっとぬれています」そうかも知れないが、紙パンツにかえたきっかけはデイからぐっしょりぬれたパンツとパッチを持って帰り、帰った時にはいていたものもぐっしょりぬれていたからだ。「たまごが先か?にわとりが先か?」ではなく「ぬれたから」が先だ。「頻尿かと思っていました」と言われるが、そうではない。ばあちゃんがしょっちゅうトイレに行くのは精神的なものだ。まず「トイレに行ったことを忘れる」またしたくなる。私が「ここにじっと座っていて」と言うと逃げたいので「おしっこ」と言う。頻尿というなら「精神的頻尿」だ。
 おむつの件で救いは、ばあちゃんが紙パンツに抵抗がない。嫌がらない。これはステイでいろいろ試していただいたおかげだ。パッドなら捨てるかも知れない。パンツタイプはばあちゃんも「パンツ」だと思っていて、ちゃんとおろしておしっこをして、またあげている。ただ、畑で草引きに夢中になると「おしっこがしたい」を忘れるだけだ。家にいる時間はトイレに行ったり、部屋のポータブルを使っている。夜中はほぼ失敗なく、ポータブルを使っている。
 また、先輩が「紙おむつをばあちゃんがトイレの水たまりで洗ったの。悲惨よ。高分子ポリマーというの?水を吸ってポヨポヨで、取れないの。雑巾でぬぐうのもだめ、掃除機で吸うのもだめ。一つずつつまんで捨てるの、大変よ」と言っていたが、ばあちゃんはもともと、ぬれたパンツを部屋に干す、が、洗濯はしない。そのおかげで、紙パンツを洗ったりしない。助かる〜。一度、ばあちゃんが部屋でごそごそするので行ってみたら、紙パンツをおろすのが間にあわなくて、横のギャザー部分がぬれていた。それでひっかけて干していたので、新しいものをはかせて、ぬれたものはまた乾いたので使えた。まん中のポリマー部分はぬれていなかったのだ。