出て行く

 昼ご飯のあと、布団で寝ていた。起きてきたとき、廊下で出くわしたが、私には関心が無いらしい。ドアをいじったあと、トイレに行く。そのまま外に出た。どうせ玄関で車を待っているのだろう。ところが見ると長靴が無い。また診療所に行ったかな?それなら電話がかかってくるだろう。
 しばらく待ったが、それもない。裏口にまわると、杖が無い。持って出たのだ。勝手なもんだ。歩かせると「腰が痛い」と言うくせに、勝手に行くときは平気。さすが心配になってきた。見に行くことにする。坂道で仕事帰りの清掃作業の人にきくと「いてはるよ」と言われた。上の畑に上がると、しゃがんで草を引いている。ほっておいて、坂道の落ち葉を掃く。
 3時過ぎに私は家に帰り、犬を連れて迎えに行くことにした。行ってびっくり!ばあちゃんは猪よけの網の中に入っている。草を引いているのかも知れないが、水の溜まった谷をびしゃびしゃ歩く。手には、ま新しい「稲刈り鎌」が泥だらけになっている。家を出て下のガレージにおり、鎌をみつけて草を引く気になったのかも知れないね。まったくとんでもない。思わず腹がたつ。がみがみ叱って手を洗わせて連れて帰った。