とんでもない、やっぱり狂った

 3時に晴れたので、洗濯物を干しに出た。ばあちゃんも出て来た。どこかへ行くの?「帽子無しでどこへ行く?」と言って家に入れる。次に出てきたときは麦藁帽子を持っていた。それでも足はつっかけだ。またまた家に入れる。布団で寝ていた。
 私が台所にいると、やってきた。今回は鍵を開けておいたのだ。ばあちゃんに牛乳を飲ませる。「熱い!」と言う。見ると、歯が無い。入れ歯を入れ忘れると、熱さがじかに伝わるのかな?「おやつやのに、歯、無いやん。入れてきて」と言うと「どこにおます?」と訊く。そんなもん、枕の下に決まっている。でもばあちゃんにはわからない。廊下に出ても、自分の部屋を目ざさず、応接間を覗いている。これは本気でわからんらしい。布団に連れて行く。なんとなく「枕の下」うぃお促すとやっぱりあった。これからはずしているか、気をつけて見ないといけないな。
 やっと歯を入れ、おやつにする。食べ終わると「畑、行きましょか」と言いだす。5時に行ってどうするの?「行くなら朝から行きなさい。夕方になってから行くもんや、ありません」と言うとばあちゃんは黙った。
 その時、電話がかかってきた。私が電話で話していると、ほっておかれた気がするらしい。大声で「どないしますのん?」とか言う。うるさくて電話が聞こえない。子電話を持ったまま、台所を出て廊下で話していると「おしっこ、行きます」と言いながら来る。やっかいなもんねぇ。電話を切る。ご飯にするとがつがつする。
 お風呂はパスして寝かせたが、こんこん咳をしていた。だから暖かいデイサービスで入ってくればよいのに。