わかった!デイで興奮するから、帰ったときに...

 ばあちゃんが帰ってきたとき、私は台所の壁のタイルを磨いていた。クロスを貼ったついでに、天井のペンキも塗り替えてもらうので、壁のタイルや戸棚の扉・換気扇などは先に磨いておかねばならない。何でも期限に迫られてやる癖のある私なので、ぎりぎりになって格闘していたら、ばあちゃんが帰ってきた。「あ〜どないすんねんやろな?ちょーっともわからへん」と言いながら、くら〜い表情で帰ってきた。声がかすれるほど「わからん、わからん」と言っていたのだろう。
 家にいる日はこんなにならない。やはりデイに行くと、興奮して、しかも「どうしていいかわからない」ので、何度も口に出すのだろう。着替えておやつにして、ほっていたら「もう3時半です。待っとったらよろしいか?」になった。目の前で、私がタイル磨きをしていても、自分は「帰る」気らしい。「送り」の車を待っている。「自分の部屋に行き」と言うと、廊下をうろついてから、外に出てしまった。窓を開けて磨いていたら、ばあちゃんが見える。自分からはどこにも行かず、ひたすら「車が来る」のを待っている。それでよかったのに、運悪く、近所のおじちゃんが散歩に来た。そのおじちゃんに「待っとったら」と訊くから、説明に出ないと...