ばあちゃん お疲れ

 今朝はばあちゃんが起きてこない。でも、畑に行って耕運機で耕してもらう予定だ。
 9時に無理矢理、起こしに行った。ばあちゃんはおなかを押さえて「しんどいので寝ます」と言う。かわいそうだが、「畑に行って寝てて。家に一人でおれんでしょ?」と言うと「死んでしまいます」と言う。私は「別に死んでもかまいません」と言う。死ぬわけがない。昨日、午前と午後の2回も畑に行ったのは、さすが疲れたらしい。もう2連休で畑に行ける段階は過ぎたようだ。
 それでも、元気にご飯を食べる。これなら、べっちょないって。今日はトラックに乗って行く。助手席に乗っていると、今までは「ようけ、車、あるなぁ」とかうるさかったが、もう言わなくなった。顔がむくんでいるのか、冬は家にいて太ったのか、ふっくらぼっちゃりしている。これから暑さと畑仕事で、しまって精悍な顔になるのだ。そのほうがばあちゃんらしい。
 畑に着いたので、隣のおじさんの小屋に連れて入った。入り口には戸がないので、私が働いているのが見えるから、おれるだろう。しばらくはソファに腰かけ、監督さんをしていた。でも夫が耕運機を持って上がって来ると、もう「何したらよろしぅおます?」と言いながら出てきた。草を引く気はないので、また「小屋に行って休み」と言うと、うちの小屋に入り、古い鎌を持ち出してきた。もう前に草を引いた畝に行って、残った小さな草を引こうとする。楽だろうが、役にはたたないって。「こっちを引いて」と連れて行くと、引いた草を谷に落として「畝に上げて」と3回、実演して見せたが今日は覚えなかった。フクロナデシコの赤い花が1株残っていたのを半分ちぎっていた。ヒメジョオンらしき草があちこちに、3cmから15cmぐらいに大きくなっていたが、それはすべて引き残して「これ、草や。引いて」と教えても覚えなかった。わずか、1日で、草引きは「忘れた」!回復するだろうか?
 それでも、ばあちゃんがこうしている間に、私が石灰をふると、夫は耕し終わって、私も刈った草を集めたり、谷の土を少しは上げたりできた。12時になったので、またトラックに乗って帰った。