「ええ社会勉強させてもらいました」つねあき君のお風呂介助

 「人の感じ方はいろいろやねんなぁ。おじいちゃん(悦子パパ)を入れてあげるとき、これぐらいかな?と思って、ぬるい湯に行ったら『あつい!』言うて怒るねん。バン!て手ぬぐい、投げるねん。俺、謝ったよ。そのまま脱衣場に出て『寒い!かぜ、ひく!』言うて怒るねん。『たのむから、入ってくれますか』言うて入ってもろた」と言う。「その次、信一さん、入れてあげたら『ありがと、ありがと』言うてくれるねん。ぬるい湯に行ったら『熱い』言うねん。ぬるいのにな。明美さんパパは、じっと俺の顔、見てるねん。『こいつ、何してくれるんやろ?』て思ってたんやろな。 おまえにどれだけのことができる?と問われている気がする。ええ勉強になったわ」と言う。かっこいい!
 三人三様だ。悦子パパは、ばりばりの昔人間である。「熱い!冷たい!痛い!」と怒るのが亭主関白、または「部下に命令」なのかもね。つねあき君は「お世話してるのに なんで怒られんとあかん!」と思うらしい。
 彼は「みっちゃん(私だ)を通じてまるちゃんに知り合い、俺の人生にボランティアのページが開けた」と言い、同級生からは「うん、それもよかろう」と言われている。「え〜、自費で行って、ボランティア?ご苦労さん」とも言われている。ほんとうにご苦労さんやった。彼がいてくれて、温泉に入れてあげられた。家族風呂でもない限り、女性のケアスタッフばかりでは温泉には入れてあげられない。