子どもだんじり

 子ども達のだんじりを迎えに行く。
 もともと夫と「夏祭り」を始めたころは、料理の材料も持ち寄り、子どもの「お店ごっこ」もだんじりも手作りだった。器用なお父さんがいて、酒樽のお古を台に乗せて枠をつけ、屋根も飾りもちょうちんもカップ麺のお古を上下に張り合わせて絵を描いた。小学生も幼児も大勢いたし、友達もやってきた。「はっぴ」を買ってもらった子どももいた。
 今は?引いているのは女の子が4人である。一番大きい子に「何年生?」と訊くと「2年生」と言う。毎年「何年生になったの?」と訊いて話題に入ると、昔は「子供会のおばちゃん」で通り、今は「顔、見たことある...」でなんとなく話ができていく。小さい子は「来年、小学校」とじいちゃんが教えてくれた。
 だんじりが軽いので、引けば速すぎる。おじちゃんたちが後ろからブレーキかけている。たんぼ道はのどかだが、神社に上がる坂がきつい。「行くよ〜」と言いながら引く。途中のとんど広場に、親戚の子が2人いるので「来て〜!引っ張ってぇ〜!」と手を振ってやったら、恥ずかしそうに逃げてしまった。
 上の境内が見えたら「来たよ〜!拍手してやって〜!」とまたまた叫ぶ。こうでもしないと、田舎の子だけでなく、田舎の大人もおとなしい人ばかりで、喜びの反応が少ない。めんどくさいんだよなぁ〜。「一人でやかましい」と言われるぐらいで、ちょうどなんだよ。
 子どもらと手を洗い、お参りしていると、大きい子らがいつのまにか来て、山から下りてきた。引くときに間にあってほしかった。それでも、食後はテントの下に集まり、スーパーボール・金魚すくい・ボーリング・輪投げに興じていた。金魚?プラスチックで軽いらしい。どんどんすくえる。亀までいる。スーパーボールも「わ」1枚で、カップに山もりだ。「すごいな」と言うとお父さんが「自分らで障子紙で貼ったでしょう?夜店じゃこうはいかない」と言う。ははは、ばれたか?