[自然西瓜の種

 従姉妹が西瓜を持って来てくれた。ステイから帰ったばあちゃんを座らせて「これ、何?」「饅頭」...くりかえしたが「すいか」は語彙から消えたらしい。「西瓜」と教える。「すいか、すいか...」 覚えた!
 小さく切ってお皿にのせてやると、もう夢中になる。「餓鬼」になる。「たね、取りよ〜。たね、言うて」言えない。「まめ」になる。何回やっても「まめ」と言う。聞き取りできない?漢字で書いても「種」を「まめ」と読む。ひらかなを「たね」とふっても読めない。それでもしつこくやっていたら、ふと「たね」と言えた。
 ばあちゃんは西瓜の小さなはしきれを左手で持ち、箸で種を取る。見えないらしく、種があるまま食べることもある。 これは上達する。しまいには箸1本で器用にほじくり出した。食べているうちに落ちついてきて「餓鬼」から「人間」に戻った。