診療所

 本日はこの前の怪我の抜糸なのである。「この前の怪我」は内緒である。
 デイに行く日なので、入浴後をねらって連れに行く。デイから診療所は廊下を歩けばよいので、こんな雨の日は助かる。デイのばあちゃんはご機嫌である。「立って」と言っても立ってくれない。2度3度言えば立つ。杖を持ってくるのを忘れた。しまった。手すりがあるが、杖を持たせればもっと速く歩くのに、な。しかたない、のろのろ行く。スタッフなら手をつなぐが、私はつながない。「独立心」があるだろうが!必要ないのだ。
 診療所に着いた。ベンチで待つ。また暴れるかなと思うと、気が重い。
 昨日から私はテンションがあがらへんー。 ばあちゃんはご機嫌で「はいはい」と言っている。「人」が気になるらしい。受付の人、薬局の人が動くたびに「呼んどってや」と言う。「静かにして」と言っても止まらない。血圧を測るときも「痛いがな!」バンドで締めて測るわけだから、ね。ちょっと締まったぐらいで、大げさなんだから。
 糸を抜くのは簡単だった。はや!すぐにできて「死ぬー!」と騒ぐひまがなかった。先生の腕がいいのだ。
 さっさとデイに連れ帰る。「お兄さん」が迎えに出てくれたので、もう「ご機嫌ばあちゃん」だ。ではよろしくね〜。