診療所に行く

 診療所に行こうと外に出ると、風が冷たい。ばあちゃんは歩かない。体力が落ちたなぁ。冬は大敵だ。「腰が痛い」と言う。寝ていれば腰は痛いし、座っていればおむつかぶれ...
 文句言いながらも、なんとか、診療所に着いた。血圧を測る。「痛いがな!」と怒る。ベルトで締められただけやん。「136」だったかな?歩いて行ってすぐだし、怒っているからこんなものさ。
 先生に見てもらう。全然笑わない。怒りだした。「どないしますねん!おられしまへん!」
 11時前の診療所はすいていて、先生も看護師さんもゆったり話を聞いてもらえる。入所のお年寄りとは違う元気さとわからなさを抱え、しんどいのだ。おむつかぶれも運動も言ってみた。「いくつになった?」「90です。友達が『90の坂を越えるのがしんどいのよ。でも、越えたらまた10年ぐらいは大丈夫や」て言うんです。え〜っ、要らんわ、ですよね」と言って皆で笑う。100になってしまうやん。