夜中 4時20分

 ばあちゃんが起きてきた。夜中に起きても自分の部屋のポータブルトイレを使うだけで、廊下へ出てくることはなかった。今日は出てきた。ばあちゃんの部屋の戸を開けると音がするので私も目が覚める。が、じっと様子を伺う。
 ばあちゃんはとなりの応接間の戸を開ける。入った様子はない。次に台所に玄関側の戸から入る。また出てきた。廊下を歩き、トイレに入る。戸を開けっ放しで用を足しているから、ばあちゃんの顔が見える。ばあちゃんは私の方を見てはいても、見えてはいない。暗いのと、ばあちゃんは近視だからね。
 トイレのスリッパをはく、終わってペイパーで拭く、水を流す、手を洗う、すべて、とんでしまっている。出てきて、廊下を帰る。応接間を開ける。「ここは違う」と思うらしい。でも、奥の自分の部屋にたどりつけない。また戻ってきて、台所もトイレも素通りして、3段の階段をおりて夫の部屋に向かう。
 これ以上徘徊してもろくなことはないので、私が起きて部屋に連れて戻った。また寝た。あはは。一件落着。