あかん日はあかん

 昨日のこと。デイから帰り、昼寝するはずが起きてきて「帰る、帰る」と言う。なんとか6時まで待たせて晩ご飯にすると、ガツガツする。「誰も取らへん。落ち着いて食べて。慌てたらご飯がつまる」と耳元で小さく言うと、まあ、少しペースダウン。
 なのにまた、最後に、クー... つまったのだ。背中をさすって吐き出させてみれば、ご飯粒がそのままだ。ガサガサ食べて、噛んでいるように見えても噛めていないのだ。入れ歯はあかんなぁ。それに長いこと作りなおしていないから、合わなくなっているはずだ。
 もう、着替えて寝かせるのだ。
 2時間も寝たら、起きて、あーあー叫んでいる。11時半に起きてきた。台所には鍵をかけて、私はお風呂に入っていた。ばあちゃんはドアノブをガチャガチャしている。ほっていたら、トイレに入った。そのすきに台所の灯りを消すと、ばあちゃんはしかたなく、か、気づかずに、か、。どちらか知らないが、自分の部屋に戻った。
 朝も5時半にトイレに来て、帰るべき自分の部屋を忘れたように、あっちこっち、行っている。もう、あかん。見ると部屋の電灯をつけていて、寝る気がないらしい。ベッドに入れて、電灯を消した。あとは寝るだけ。
連れて行った。
 今朝は郵便受けにデイの連絡帳が入っていた。昨日、ばあちゃんのかばんに入れるのを忘れておられたのだ。
「今日は松花堂弁当で、品数も多いせいか、いつもより多く残されました」とある。
「非日常」と理解できるばあちゃんは「あー、けっこやなー」といい言いながら、3粒や5粒ずつ食べていたら、それは残ってしまうよ。おまけに周りの人が食べ終われば、気が気ではない。そういうところには気がまわるばあちゃんなのだ。
 私なら、見た感じで量が多ければ、初めにばあちゃんの分から大幅に取る。食べられる量に減らす。「黙って食べなさい」と言う。興奮させない。
 それでも、あかん日はあかんのだ。すでに昼から、あかんかったのだ。