田んぼの草取り

 今年は「新製品」という除草剤を使ってみた。夫が言うには「小袋に別れていて、ねらい定めて、ポイッと投げる。袋がとけて、中の小さな粒が水面でパーッと広がって、しばらく浮いているがすぐに沈む。これは田んぼに入らなくても、岸から投げたらいいから、楽や〜。縦に5区画、横に3区画、とか、決めて1つずつ放り込む」
 それが「よう効くらしいわ。けど、大きな田の1区画だけ、稲か草か、わからんのがぎっしり生えたんや。引こうか?草刈り機で刈りとばそぅか?」
 あのね、草か、稲かわからんて...そやから「やぶ農家」言われるんやで。引くよりしゃあないでしょうが...
 
 行ってみたら、「ヒエ」なんであります。「稲」は四角四面に定位置に田植え機が植えてくれているでしょう?それにはずれた位置に生えているのは、草に決まっているでしょう?まだ稲が小さいからヒエも同じ高さだったり、小さかったりするけれど、そのうち追い越していく。田植えのころは稲は種をまいて25日たっているのに、ヒエはまだ土の中で眠っているでしょう。それがあっというまに芽を出し、追いつき追い越していく。いいタイミングで引きに来たよ。
 隣の畑のじいちゃんが「ヒエは葉の裏のスジが白いんやで」と教えてくれる。それは見分けが難しい。「稲は茎から葉が分かれて出るところにヒゲ輪がある。ヒエにも輪があるがヒゲにならずに薄い色があるだけ」と見分ける方法を近所の先輩に習ったから大丈夫。今の時期はヒエのほうが葉が柔らかい。それも見分け法。ぐんぐん引いて肥料の空き袋に入れて水面を引いて歩く。これより大きく育つと、引いたヒエを入れた袋がすぐに一杯になり、持って出るのが重いよ〜。
 水面が見えないほど密集していたところを引き終わり、あとは田んぼの端にもどって、順番に歩いて行く。草が生えるところが決まっている。水の入り口で、地面が高いところで、除草剤が効かないのだ。除草剤をまいたときに水がちゃんとなければならない。ここは田んぼの隅っこでトラクターで耕せば土が集まって地面が高くなってしまう。わかっていて改善しないなら「やぶ農家」になるかなぁ?