「子供会」

 子供たちがもう少し大きくなって、親たちが子供会を作った。でもそれは新しい自治会の子供会。
 うちは兼業農家で、子供会も盆踊りも秋祭りも無い。ならば作ろう。「卒業お別れ会」から始めて、農繁期は活動しない。公園の草引き、夏の花火大会、秋の新米おにぎりの会、など独特の遊びをした。街から引っ越してきた子供たちに田舎の思い出を、とイチゴ狩りや芋掘りもした。1月15日の氏神さんの「とんど」にも来てもらった。
 ついに酒樽を台に載せた「手作りだんじり」をお父さんたちが作って「夏祭り」をするようになる。婦人会のおでんとおにぎり、子供らの模擬店、お客も来て「山の中の神社にこんなに人が集まった!」と90歳すぎの最高齢のじいちゃんが喜んでくれた。うちのばあちゃんは現役百姓で、神社の下の田んぼに「水を見に」毎朝通っていたから、祭りも近所の友達を呼んで、ちゃんと歩いて参加した。
 その後「我が村の昔と今」という文集を子供たちと作った。長老達の文章と聞き書き、子供たちの作文集である。「弘法大師の独鈷水」「昔の家並み」「銅山(かなやま)の洞窟」などの話を集めた。次は「どうぶつものがたり」シリーズ「いのししの被害」「まむしはこわい」「カスミサンショウウオ」「お米作りの1年」などなど...思えば10年、いろいろ書いた...