老人クラブの墓掃除

 今、10時3分、やっと暇ができた。
 朝6時ごろ、雨だった。あ、これで昨日の苺に水をかけなくてもすむ。ありがたいこと。
 雨がやんだ。洗濯をしていたら、ばあちゃんが起きてきた。7時10分だ。バナナを食べて墓掃除に行く。
 ぐんぐん歩く。畑の土手でしきみを取る。ばあちゃんは小さな椅子に腰かけて待っていた。また歩いて墓に行く。急な坂道だが平気だ。「休ましておくなはれ」なんて言わない。畑に行くときも、行きは平気だから。
 8時からの予告だがもう皆、来ておられるどころか、高齢グループはもう自分ちの墓は終わり、広場とグランドゴルフ場にとりかかっている。
 ばあちゃんに「ここ、草、引いて」と言ってみたが、墓の土台部分は苔と小さな草が混じっていて、どれを引いたらいいのか、わからないらしい。すぐにやめてしまう。立ったままだ。花を取り替えて線香を立てたが、拝むのは忘れてしまった。
 次にグランドゴルフ場のベンチに行く。「座って」と言っておいて、私が小さな草を引くと、ばあちゃんもベンチに腰かけたまま、うつむいて草を引く。そのうち降りてしゃがんで草を引く。
 老人クラブと言っても、70代以上のグループは元気である。慣れていて、さっさと共有部分を綺麗にしていく。草も燃やしてしまう。
 終わって集合。クラブ長さんが「敬老会があります。70歳以上の方はご出席ください」と言われた。また「本日の墓掃除の参加者の方へ」と言って、1足ずつ軍手が配られた。ばあちゃんももらった。ブラウスのポケットに入れた。
 おばちゃんたちが輪の中にばあちゃんを入れて「ばあちゃん、元気でよかったね」と言ってくれた。ばあちゃんは「あっあ」と言いながら何やら言っていた。一人のおばちゃんの手をつないで歩いていたのに、その人は「『うるさい!』言われたよ」と言う。初めはよくても、そのうち相手の話が理解不能になるのだろう。
 解散して、ほとんどの人は軽トラックか乗用車か、ミニバイクで帰る。私とばあちゃんは歩きだ。「家に帰ってご飯、食べよう」と言うと、ぐんぐん歩いた。
 家に着く。「靴、ぬいで」はよかったが「トイレ、行って」でついて入ると、もんぺをおろさないまま、ちょこんと便座に腰かけている。どっか、ぬけるんだよね。
 昨日もらったおはぎを食べる。「昼寝」と言ったら寝てくれた。それから二度目の洗濯をして干し終わったがまだ寝ている。しめしめ。