薬の飲み込み方も、お風呂の入り方も忘れた

 今日はデイだった。昼寝のあと、起きてきたので、台所に入れた。私は古新聞の片づけをしていた。9月の中ごろから農繁期に入り、新聞も読んだり読まなかったり...本の広告を見て「欲しい」と思ってもそのままになっていたり、今になると思い出せなくて「あ、これだった」と思うのは1冊だった。あとは忘却のかなたに消えてしまったらしい。
 ばあちゃんは台所の入り口をうかがいながら「見てきましょか」としきりに気にしていた。新聞に手を出して、手伝う気もあるようだ。
 終わってご飯にしたら...抽象的に頭を使うと具体的世界が消える。ご飯の飲み込み方を忘れている。薬を下にのせて、飴玉のように噛んでいたり、水を含んでも飲み込まない。「飲んで」「飲み込んで」と言ってみても、その意味がわまらないので伝わらない。どうしようもない。作業(ご飯を食べる)の前に頭を使うことをしてはいけない、ということか?
 お風呂に入るときも、服はボタンをはずさずに脱ごうとするし、洗い場で洗面器に「お湯、入れて。下に置いて」と言うと、ゆかにお尻をベッタリつけて座ってしまい、かけ湯もできない。ステイのあとではお風呂の入り方、忘れてしまったんだ。もう家でいれないでおこうか?でも、正月は家にいるので、入れないわけにもいかないし、な。元々「風邪や」と言って何日もお風呂に入らないことはあったし、なぁ。思案のしどころ。