年末

 洗濯しながら、精米機をまわしながら、掃除をしている。「掃除をしなくても正月はくるよ」と言う人がいる。それで良い人はいいが、私は「できなかった」というストレスが残る。だから、できたら幸せ。
 お風呂でアクリルたわしを使っていたら、同窓会の日に余分に持って行ったら余って、たまたまそばにいた友達にあげたのを思い出した。その人はなんとか言って、その内容は忘れたけれど、優しいなあと思ったのだ。さりげなく優しいのは癒されるねぇ。良い思い出になり、良い年だった。
 1年に一度会う人というのもある。「去年は大変だったんだよ」と淡々と話している自分に驚き、ふつうに聞いている相手に驚く。天と地がひっくり返るような人生の一大事が...と思うと、自分が信じられなくなった。途中経過を知っている人に言うと「時が洗い流してくれるんです。良い思い出だけが残ります。忘れっぽくなるのもいいことかも知れません」と言う。それは困る。現実が重く残っているのに、忘れてよいわけがない。
 そんなこんなの年末である。