次の田は11時20分終了

 畦道を移動しながら書いている。
 ちょうど1時間でできた。面積は3分の2だが長方形なのでやりやすい。難点は水が多すぎる。上の田の持ち主がどんどん入れる。じょれんで土をかき寄せても土が足元に集まらない。
 ばあちゃんがまだ若く、現役バリバリの頃は「寄せられへん」とガンガン怒っていた。怒っている暇があったら、1回ザッと寄せて、また最初の地点から2回めを寄せて仕上げればよい。手間をかければすむことだ。
「お米という字を分解すれば 八十八、それだけ手間がかかるのだ」と友達が教えてくれたが、機械ではできない手間はかかるのだ。
 お金で解決する手はある。畦に押し込む波板だ。これは押し込むだけではだめで、やはり足元には土を寄せてやらないと隙間から水がもれる。
 畦塗り機械がある。トラクターの後ろにつけて走ると立派な「堤防」ができる。80万円だそうだ。とれたお米を全部売っても捻出できない。