診療所

 今日から月曜日までのステイだが、ばあちゃんの薬をもらうために診療所に行く。シルバーカーを並んで押して歩く。家を出たところは右を歩くので、ばあちゃんを右にする。ゆるい下り坂なのでスイスイだ。
 トンネルの中はゆるいのぼり坂だ。ばあちゃんは押しているのやら、引いているのやら? トンネルを出るときつい上り坂だ。国道に出て車が途切れるのを待つ。ちょっとの間、歩道のない国道の左端を歩くしかない。そのため立ち位置を交換する。すぐに歩道に出てガードレールの中になる。歩道は国道に引いてあるだけで、左に傾斜している。そのため、舵取りしにくい。
 信号まで行くと、施設に上がるのぼり坂だ。ばあちゃんは?ばあちゃんにシルバーカーを押してもらい、私はばあちゃんのお尻を押してみた。?だめだった。ばあちゃんには舵取りできない。並んで押すと「どこ、行きますのん?」などど言う。
 診療所に着いた。「靴をぬいで」というのが難しい。私がして見本を見せた。スリッパを履くほうが簡単だ。
 診察室に呼ばれたら、先生の前の丸椅子に腰かけて、横を向いている。スチールの机に向かっているのだ。あはは。なんか、おかしい。腕に血圧測定のバンドを巻いたら「キューッとなっとぅ」と訴える。あはは、これだけはわかるらしい。聴診器をあてても今日は怒らない。
 終わって薬ももらったので、また歩いてステイに行く。坂道を上がり、ポストを過ぎた駐車場で電話をかけた。最後は急な下り坂だ。スタッフさんが二人も迎えに出てこられた。坂道だから手を出さないでもらいたい。それよりも、歩けるとか、動けるとか、実態を見てほしい。「家と違うことをしないで下さい。帰ってきたときに困ります」と言っておいた。言いたくなるんだよな。