泣きまくった

 昨日のお葬式、夫の挨拶。
 「本日はお忙しい中、こんなにたくさんの方に来ていただいて、母もさぞかし喜んでいると思います。近所の人が、母の『怒ってばかりの顔しか見たことない』と言われました。そういえば我々二人も、笑った顔にはあまり記憶はありません。しかし二度目の人生へ旅立つ母の、現在の顔は、本当に穏やかな顔でございます。これからの私たち一家にも、これまで母がお世話になったと同様、ご指導ご鞭撻をお願いいたします。本当にありがとうございました。」
 うまいなぁ。もう、涙、くしゅん。
 
 その前、一般の方の焼香のときは、立っていて「ばあちゃん、かわいくなってるよ。会ってやってね」と言いまくり...来る人、来る人、ばあちゃんの知り合い、たたかうおばあちゃんの知り合い、ばかりなんだもん。にっこり笑って「見てやってね」「ありがとう、来てくれて」と言ったり、歩み寄って握手までしていた。前代未聞?かまうもんか。
 棺に花を入れる。ばあちゃんの甥っ子、姪っ子、私が知らない人まで来てる。「どちらさま?」と聞くと「どこそこの妹」と言う。そこの家の当主しか知らないものね。私の兄弟たち...
 司会者が「一般の方もどうぞ」と言ってくれる。もう、私が一般席に行き「ばあちゃんの顔、見てやってください。送ってやってください。お願いします」と言う。前代未聞?かまうもんか。みんな、遠慮してるもん。続々とやってきて、「どう、かわいい?」「うん、うん」
 ばあちゃんの施設の副施設長さんだ。いつもショートステイのお迎えに来てくれる人。「オーケー?」と聞くと頷いてくれる。「この顔、いいよね。大往生だよね?」と言う意味だよ。施設長は朝早くに電話を下さったので延々と話した。次がショート担当のお兄さんで長いつきあいの上、ブログの読者で話も合うし、入所のときも説明をし、契約書にサインし、部屋に案内し、さいごに救急車に乗って一緒に行ってくれた人。もう〜、わぁ〜んと泣いたら、抱きしめてくれた。でないと施設の人も「なんでやねん?」のままだもん。
 教え子が来た。その子も姑さんが認知症初期である。「大丈夫よ。頑張りね」と言って手を取る。ばあちゃん応援団なんかたくさんいすぎて...こんんなにいたのか!
 司会者が俳句を持ってくる。友達がファックスで送ってくれて、式場の入り口に掲示してもらっていた。「ようけやな 言葉遺せり 葛の花」「ばあちゃん、いっつも『ようけやな、ようけやな(たくさんある)』言うてたやろ。今もようけの花やで。『もったいない』言うんちゃうか?」そのころはばあちゃんの身内だらけである。柩がいっぱいになっていた。促され、ばあちゃんの額などなでている私...