不思議なことに

 急に寒くなり、ばあちゃんの割烹着を着ている。夏から、私のTシャツをばあちゃんに着せたり、私がばあちゃんのお古のシャツを着たりしていた。
 ばあちゃんが救急車に乗せられたら、手を握り、足をさすっていた。自分で信じられないことをしていた。「これは何?」ときくと「ばあちゃんが死んだら、もう話をしないからでしょう」だそうだ。自分の心と向き合うことになる。仏になるとは、そういうことなのだそうだ。