四十九日法要

 ひとは「もう そんなになるの?」と言うけど、本人は大変なのだよ。うちは昔の古き良き習慣が残っていて「隣組」の仲間まで来てくれる。
 住職の読経、墓参り、納骨、そしてお食事。出張会席だ。板前さんと女性スタッフさんとの二人で、膳を組み、前菜と刺身が出る、「秋やなぁ〜」というしつらえで、目も楽しい、味も美味しい。あげたててんぷらも美味しい。
 席は指定席になっていて、私がお膳に名札を立てた。血縁の順ではなく、お酒をたしなむ人を隣合わせにしてある。運転しない人はどんどん飲む。運転する人の希望で「ノンアルコール・ビール」なるものを冷やしておいた。
 出張会席は私が楽である。スタッフさんが全部してくださるので、私もお客さんの相手ができる。
「上にかけてある、あの写真はだれ?」と訊く人がいて「おじいさんよ。おじいさんのお兄さんがあなたの家にお婿さんに行ったのよ。なんで?てお嫁さんがべっぴんさんだったからやて」ふと見ると、皆さんが注目している。「ではここらで、皆さんを紹介します」ご住職から順に、おじいさんのルーツ、反対側におばあちゃんの親戚、それが、なかなか多い上、代替わりして初対面の人も多く、皆さん「あれはだれ?」状態だったかも?この法要の席でしか顔を合わせないメンバーもいて、故人がつむぐ人の縁。