グリーフケア

 ばあちゃんのお葬式をしてもらった葬儀社(葬儀だけではないが)から「グリーフケアサークル」の案内状がきた。
 葬儀社がグルーフケアをするようになったのか?と思うと感慨無量だよねぇ。早速電話をしてみた。
 「ばあちゃんの遺品を見ながら呆然としているのですが、どこかで活用できないか、情報はないでしょうか?」と訊くと「高価な貴金属とかでしょうか?」と言う。「違います。衣類です」と言うと「大切な想い出の品をどうすればよいか?ということでしょうか?」と訊かれた。「そうではなくて、死んだ人はいいのです。土に返り、守り神になったのですから。物理的に衣類が『もったいない』と思うだけです」と言うと、不思議そうだった。
 「どこでグリーフケアの勉強をされているのですか?」と訊いてみると「聖トマス大学です」と言われるから、本物だ。「グリーフケア」と検索すると「聖トマス大学」が出るぐらい、今、一番進んでいるところだろう。だから葬儀社がそこまでやる時代になったのだ。
 「その衣類を引き取りましょうか?」と言われるので「そうではないのです。どこか活用できる、リサイクルできる団体とかを教えてほしい。引き取る必要はありません。つないでほしいのです」と言ってお願いをした。引き取って処分するなんて越権行為だと思う。自分が遺品と向き合うことが必要なんだ。
 「もう、目をつぶって捨てたよ。家一軒をたたむのよ。しかたないもん」と言う人が多い。「自分では捨てられないから、兄弟や親戚に頼んで持って帰って捨ててもらった」と言う人までいる。
 それなら廃品回収で換金できたほうがましだ。回収をしている団体の収入になるから。