「練り込まれて」

 大学の先輩からクリスマスカードがきた。先輩たちこそ筆不精。年に1度か何度か「たたかうおばあちゃん」を送るが返事はなし。それがこの夏休み、卒業以来初めて電話を下さった先輩がいて、びっくりしたら、総選挙だった。それだけ選挙に燃えていたと言えよう。
 今回のクリスマスカードは別の先輩で、年賀状の代わりだ。
「いつもお便り拝読しながら、大地に根づいたあなたとお母様の姿を思い浮かべてきました。二人の性格や考え方は違うかも知れないけれど、しっかりとあなたの中にお母様が練り込まれていて、今日のあなたができていると思えて仕方ありません。あなたの人生のほとんど毎日を共に過ごされたんですものね。あなたの全身全霊を捧げて、守られ旅立たれたお母様はこれ以上の幸せはなかったと思います。本当にお疲れ様でした。」
 「練り込まれて」か。全く、大学の先輩というのは、何もかもお見通しで、頭が上がらないなぁ、悔しいけど。