ころちゃん

 帰ると、玄関にペットフードがある。ころちゃんのお隣さんが持ってこられたそうだ。飼い主が「ころちゃんを飼えなくなった」と言うのを聞いていたが、庭から急にころちゃんがいなくなり「保健所に連れて行かれたのか?」とあわてて近所の人に尋ねて、うちまで見に来たのだそうだ。「よかった!」と言っていたそうだ。ころちゃんも幸せね。
 ころちゃんは賢くて、以前のお隣さんをよく覚えている。
 今日は散歩の帰りにうちの庭に入らずに「こっちの道が我が家だ」というふうに、抵抗して動かなくなった。「あのね、ころちゃんのお母さんだった人は足が痛いから、一緒に散歩できないのよ。今日からここに住んでね」と言ってなだめて連れて入った。あはは。