青い空

 畑の帰り道、携帯メールでブログを書く。ばあちゃんと歩いていたときと同じだ。
 緑のヒマラヤ杉。白い飛行機。夏?畑の帰り道は木陰だ。風が心地よい。ツクツクオーシが鳴いている。
 「朝、綺麗な空を見ると、あ〜、母に見せなきゃ、と思います。母はもう『千の風』のように自由にどこへでも飛んでゆけるのに」というメールが来た。
 そうか。「千の風」ね。
 私は「ばあちゃんがいなくて寂しい」も「あ〜、これを母に見せたい」もないのだ。
 薄情きわまりないが、無い。でも、不思議なものに会うと「あ〜、○◎先生が生きておられたら、こんな時はおたずねできるのに、もう会えないのだ」と思う。人が亡くなるとはそういうことだ。不思議を分かち合う相手が母ではなく、先生なのだ。まことに、人はいろいろだ。