「画っ展」西宮市立北口ギャラリー(アクタ西宮東館6階)

 小島のぶ江さんから「展覧会」のお誘いのはがきが来た。
 今回は「画っ展」という合同展だ。「朝日カルチャー河村教室」とある。
 今日は雨の予報なので、行ってみようと思い、先輩を誘った。先輩は「展覧会?行く、行く」と言う。誰の展覧会でもよいらしい。
 ところが、会場に入るや、最初の絵を見て「河村立司先生?あれ〜、わたし、大好き!河村先生の『小さな旅』という本が大好き!1冊だけ持って引越すとしたら、これだけは絶対持って行く!」と言う。私が「それなら受付で先生が来られるか、聞いてきてあげる」と言うと「そんなぁ〜、はずかしいからいい」と遠慮する。
 そこへ男性一人と女性数人の団体が来られ、私たちの目の前で「せんせい〜」と話しておられる。女性たちが去った後、私は「画っ展」の案内はがきを見せて「私は小島さんの紹介で来ました。河村先生ですか?」とお聞きすると「そうです」とおっしゃった。先輩は喜んで「え〜!そんな〜!偶然、お目にかかれて光栄です!」と言う。いろいろお話して「では本を送ってあげましょう」と先生が言われた。もう、先輩は感激して住所を渡す。
 先生とお別れしてから「あなたのおかげ。誘ってくれたおかげ。いきなり、先生に声をかけるなんて、あなた、度胸あるわね」と言う。「度胸じゃないよ。人違いだったら、ごめんなさいと謝ればいいじゃない?」と言うと「そんなあつかましい〜」と言う。
 ごめんなさい。あつかましくて。
 でも、ほんとに、これは「ひとのため」だからできるのであって、じつは、舞台を見に行っても、好きな俳優さんだからと言って、知り合いでもないのに声をかけたりしません。座席からじっと見ているだけです。すれ違っても声はかけません。それは節度というものです。

 家に帰り、ネットで朝日新聞を見て、河村立司先生のエッセーと挿絵を拝見した。絵がとても素敵だったし、古き時代の懐かしい風景だった。
 「画っ展」に行ってよかった。
 小島のぶ江さんの絵は「お人形」だった。