がんび・雁皮

 和紙の材料にする。今頃の時期は、雁皮が見分けやすい。
 私の暮らす村の産業は、かつて「和紙」であった。名塩紙という。材料は雁皮であり、泥を混ぜ入れて漉くのが特徴だ。金箔をはさんで伸ばす「箔打ち紙」、藩札にする紙、ふすまの下貼りにする紙、などがある。混ぜ込む泥の色によって、いろいろな色が出る。
 現在も伝統和紙を漉いておられるのは、人間国宝の谷野武信さんである。
 また、小学校の前には「和紙学習館」があり、6年生は自分が漉いた用紙に卒業証書を印刷してもらって、「世界に1枚の手作り卒業証書」をもらうことになる。