魔法の鍋帽子

 新聞で「魔法の鍋帽子」を見て、本を注文した。
 今年は婦人会の地区委員をしていて、教養部を担当している。秋には「文化祭にそなえて、出品するための作品作り」をする。「鍋帽子を皆で作って、文化祭で展示したあと、12月にそれを使って料理講習会をしたら、面白いかも?」と思ったのだ。だいたい、こういう思いつきは、草刈りの途中に沸いてくる。体が温まると、頭も動くのだ。
 しばらく、本を眺めていたが、押入れを開けると、昔、洋裁をしていたころの生地の残りが続々と出てきた。表地には、赤い地にサンタクロースの模様、裏地には黄色の無地を使った。 4日かかって、やっとできた。「講習会で教えて」と言われた。講習会は2時間だ。ミシンを持ち込めないので手縫いになる。とても2時間では完成しない。
 長らく洋裁をしていなかったので、製図を写し、裁断と印つけだけで半時間近くかかってしまった。仕事途中の服やら作った服の端切れやら出てくるから、進まないのだ。印つけも、チャコペーパーをはさんで、へらで印をしたら、裏側がうつっていなかった。ルレットがあればよかったのだが、みつからない。長いブランクはなかなか取り返せない。
 綿を入れるのが難しい。均等に入れて、形を整える、なんてとんでもない。ばあちゃんが
布団を縫っているのを見ていたので、綴じるのはなんとかなった。
 それが巨大! 27cmの鍋を入れて保温調理するので、鍋布団と、帽子で、ずいぶんと大きい。思わず、笑ってしまった。