畦塗り

 昨日は「畦寄せ」と言って土を寄せておいた。「畦塗り」は小さな堤防だ。水が逃げないようにする。
 お隣は「畦塗り専用」の大きな機械をトラクターにつけて畦を作っているらしい。できた畦も大きい!
 ばあちゃんがまだまだ元気で田んぼに出ていた頃、畦寄せの時、「水が多すぎて、土が寄らへん」と文句を言っていた田んぼがある。畦前の土が少ないのだ。機械(トラクター)で耕して、機械(コンバイン)で刈り取ると、機械はグルグル回るときに、畦のあたりで回転するのだから、土が動いて、田んぼの真ん中へ持って行かれてしまう。だから畦前の土が少ない。無理矢理に畦寄せをすると、「土が足らん」状態になる。ばあちゃんは、なんであんなに文句ばかり言っていたのだろう? 一度で寄らなければ、二度、三度と繰り返せば、畦塗りに必要な分量は寄せられる。
 畦塗りもそうだ。「土が固い!」と言うし、柔らかければ、また、「ドボドボで上げられへん」と言って、田んぼの中に入って、手で土をあげていた。そのあと、鍬で押さえて堤防にする。ついでに言うと、私は夫に習ったので、畦の上に立って、鍬で土を上げて、スーッと押さえて歩く。夫が昔から習ってやっていた方法で、当時、うちの近所では画期的であった。近所の物知りのおじさんに「あんた、鍬使い、うまいなあ〜」と誉められた。真似をしてできるようになった人もいるが、できない人もいるのだ。