十国峠

 今日はまた地元の定期観光バスに乗る。熱海の駅まで送ってもらって、バス乗り場に行った。
 「伊豆箱根バス」と言う。営業所に行き、バスの座席券をもらう。9時半出発で「2号車」だった。ガイドさんはベテランの方で、説明が上手だ。
 ところが熱海を出て十国峠に着くまでがとても混んでいる。「昨日は日曜日で大渋滞でした」と言われる。紅葉の季節だからだそうだ。でもまだあまり紅葉していなかった。
 十国峠に着いた。バスごとに記念撮影をする。
 ケーブルカーは大きくて大勢乗れた。1号車と2号車のお客さんが乗ったのだとあとで気づいた。乗る時から霧が強く、風も強く、何も見えない。足元の木や花を見ながら上がる。春に咲くつつじがチラホラ咲いていたり、紫陽花が枯れたままの花をつけていたり、の中に、ちょっとトゲトゲのアザミがたくさん咲いていた。アザミも我々の田んぼ道では田植えのころからの花だ。今はもう無い季節だ。
 展望台に上がると霧の中!それでも順番待ちで「十国峠」の看板をはさんで記念撮影してきた。
 バス駐車場におりたら、風が変わり、富士山が見えた!
 ガイドさんがおっしゃっていた。「この風で雲が飛び、富士山がみえますよ」と。その通りに見えてきた。
 バスは山を下りて行く。国道1号線に出た。1号線!すぐに別れ、芦ノ湖畔に出る。「箱根駅伝の1日目のゴールです」「2日目のスタートです」「駅伝広場です」と言われてみると「箱根駅伝の碑」の前で横断幕を持参して記念撮影している人がいた。友達のお兄さんは「駅伝大好き兄さん」だ。母校の後輩が「箱根駅伝に出るで!」「社会人になった。ニューイヤー駅伝に出るで!見てや」と言って年末に電話を下さる。箱根に来たら喜ぶだろうな。せめて窓から見ておこう。
 しばらく行くと「杉並木でございます」
 「箱根の山は天下の険 函谷関も物ならず
  万丈の山 千仞の谷 前に聳え後に支う
  雲は山をめぐり 霧は谷をとざす
  昼猶闇き杉の並木 羊腸の小径は苔滑らか
  一夫関に当るや万夫も開くなし
  天下に旅する剛毅の武士
  大刀腰に足駄がけ 八里の岩根踏み鳴す
  斯くこそありしか往時の武士」
 子供のころは意味もわからずに歌っていたなぁ。その「昼なおくらき杉の並木」だ。大きな立派な杉が2列に並んでいる間が街道なのだろう。「HAKONE 芦ノ湖」という絵地図をもらったら、「東海道杉並木」と書いてある。この地図はよくわかる。