若い友人が来た

 以前に近所に住んでいた人がやってきた。介護職をしていたので、ばあちゃんが「ちょっとおかしい」と思いかけたころに相談にのってもらっていた。
 「ばあちゃんがデイサービスに行き始めて、2回目に『お通夜やった』と怒って帰ってきた時、あなたに相談したら『3か月我慢して!ばあちゃんが行くのが嫌なら、柱にしがみついても家から出ないよ。行くんでしょ?保育所と一緒。慣れるまで家族が我慢!』と言ってくれたでしょ?あなたは恩人やと思ってるのよ」と言うと、笑っていた。
 彼女は「おばあちゃんを家に閉じ込めないで、好きなことをさせていたでしょう?そこが偉いと思う」と言う。「さぁ、どうだか?畑が好きだったかどうかはわからないよ。目を離すと、ふわ〜っと施設に行きかけたよ。診療所の窓を指さして『灯、ついとる。呼んどってや』言うて、なぁ。『呼んでぇへん!』言うて連れ戻したわ」。今、考えると、おかしい!
 「それでも、ばあちゃん以来、よその家族も認知症のことを隠さなくなったわ。オープンにして助けを求める。これは、『たたかうおばあちゃん』のおかげやと思うわ。ばあちゃんはちゃんと人の役にたっているよ。」他にも「『たたかうおばあちゃん』を読んでいたから、うちのお姑さんが認知症になりかけても、『あ〜、こうきたか?』と心構えができていた」と言う人もいる。