恩師からの葉書

 書類を片付けていたら、大学の恩師からの葉書が出てきた。
 昔は地域の子供会をしていて、会報「山の子」に地域の昔話や動植物記を書いていた。それを地域の人達だけでなく、高校や大学の恩師の先生方にも送り、指導を仰いでいた。その時の葉書だった。
 いろいろ教えていただいた高校の恩師には、本「たたかうおばあちゃんが行く!」を出版した時に挿絵を使わせていただいた。大学の恩師はすでに亡くなられていたので、連絡できなかった。それで、ここに載せさせてもらって、お礼にかえる。

 「先日は『山の子・どうぶつものがたり』シリーズとお手紙、ありがたく、うれしく読ませてもらいました。よい仕事をしておられますので、私の心のはげみになります。 
 地球上もっとも傲慢、もっとも惨虐な動物が見られるというある動物園に入場しました。そこには大きな檻があり、見ると何も動物らしいものはいなくて、中央に鏡がひとつ。もちろん私がはっきり映るのです。横に『今、あなたが見ているのが地球上最悪の動物です』と説明書きがありました。
 これはかつて私がなにかで読んだ話です。
 朝日新聞社発行の『動物たちの地球』も、この観点から書かれていたので読みました。
 この地球は人間の地球ではないのです。
 『山の子・どうぶつものがたり』は全く同じ考え方で、やさしい心で、動物にかかわっているように思います。
 草刈りには『ごめんね、仕方がないのです』
 豆は穴に3つずつ蒔く。虫と鳥と人間のために。
 猪が作物を荒らす。山に住みかがなくなってかわりそうや、おなかがへっているんやろう。
 この地球は動物たちの地球である。人権だけではない。同じぐらい動物権もある。
 そんなことから、自然保護、環境権の発想があったと思います。
 地域の写真家の方の力が大きく働いているように思います。小さいカメムシから美を発見されている深い心遣いなど、いたるところで、同感、共鳴しながら読ませていただきました。
 どうぞ、継続してください!」