弁慶草

 わぁ、もう2学期だなぁ。
 昔は9月に弁慶草を花市場に出荷していた。夏休みが終わったとたん、作業が始まる。華道の先生が教材に買って下さるからだ。昔はこの暑い時期に咲く花の種類がなかったらしく重宝してもらった。丈50cm、直径は手のひらぐらいで、1本80円。軽トラいっぱいで、何万円。
 朝は5時に起きて、弁慶草を切り、夫が軽トラックに積んで持ち帰り、出勤する。ばあちゃんと私が、茎の下の方の葉を取って花をござに並べる。ばあちゃんが白菜の空き箱に50本ずつ詰めては、軽トラに積む。夫が会社から買ってきて、夜に市場まで走る。私もついて行く、という生活をしていた。若いからできた。
 今はみんなにあげるだけ。
 明日は小学校と中学校に持って行ってくれるボランティアがいるので、朝から切るのだ。