ゆず

 豊作だ。綺麗にできた。
 今日は初めての親子が来るので、富有柿と柚子は先に取っておいた。
 でも、興味津々なので、柚子の木に案内した。
 「崖だから落ちないでね。柚子はとげがあるからそれを見てね」と言ってお母さんだけに行ってもらった。子供たちは崖の上から見るだけ。「猪が地面を掘ったんだよ」と教えた。
 崖の下は竹藪なので、おばあちゃんにあたる夫と私の友人は「いつも『筍!』ってもらってたのは、ここのですか?掘って下さってたんですか?」と言う。そうだよ。掘るのはわけないよ。「竹はおじいさんが植えたんだよ」と言うと「植えるんですか?」とまた驚く。
 畑に行った。猪除けの電線を見せて、入口を開けた。
 里芋を見せたら「初めて!」。とにかく「初めて!」「初めて!」
 薩摩芋に行ったら「幼稚園の時以来」と言う。「あのときはもう弦を切ってあったわ」と言う。
 それは観光農園だから、お膳立てしすぎ。
 うちは「畑の学校」だから、できているまま。でも、観光農園ではあるじがお膳立てしておかないと、時間内に作業が終わらないのよ。
 「ねぎ!」「白菜!」「菊那!」「今日は鍋!」と言いながら、進む。
 大根と人参も引く。
 最後が里芋で、土垂れはてごわい。私が掘ったが、芋をはずすのもやっかい。石川早生も掘ってみたが、こちらがはずしやすい。
 一輪車を小学生のお嬢さんが押して、駐車場に行った。積み込んでうちに行く。
 夫が待っていたので、「久しぶりです!」と話がはずんだ。