花芽

 去年にミニトマトを植えた畝に、今年は薩摩芋を植えている。
 草ですっぽりマルチしているが、ミニトマトが生えた。こぼれ種だ。
 植木鉢に植えておいて、若い人にあげた。
 「脇芽を取って、1本立てにするねん。脇芽も伸ばしたら、実はたくさんつくけど、大きぃならへん。トマトは茎から、葉、葉、葉、花の順に出る」と言うと「どれが脇芽か、わからない」と言う。
 初めての話で、しばらく思案して、メールを送った。
 「小さくてわからないなら、しばらく取るのを待って。5cmにもなればわかる」
「花芽には蕾がつく。脇芽はもう1本の茎になるので、茎の形になる」
「理屈で考えれば、花芽は実になるから、垂れ下がる。脇芽は茎と葉になるから直立する」
 これでわかったらしい。従姉妹に言うと「百姓は勘でわかるかも知れん。そうでない人は、わからんもんらしい」と言う。そうか。そういえばうちの畑の小作人くんに「玉ねぎの薹が立っているから抜いて食べた方がいいよ。今のうちなら食べられっる」と言うと「薹って何ですか?」と聞いたなぁ。蕗の薹を知らんのか?おんなじやんか。