食べかたを忘れる

 昨日は、ステイに行っているばあちゃんを迎えに行った。ご機嫌はいかが? 普段よりは怒っていなかったので、そっとそっと、そのまま帰ることにした。
 職員の方から連絡を受けた。「食事のとき、のどにつまった。吐き出した物を見ると、食べるときに、かんでいない。きざみ食にかえましょうか?」 ちょっと待って。かえてしまったら、よけいに噛まなくなるのではないの?
 もっと気をつけて、食べるのを見守ることにした。おかずは煮豆だ。大豆だから小さくてつかみにくい。「お箸でパクッとつまんでごらん」と言ってから、ふと気づいて、お茶碗を置き、左手でお皿を持たせてみた。すると、一粒ずつつまんでは口に運んで、上手に食べるではないか。柔らかな卵豆腐でも、つるっと入る。これは大発見だ。