里芋

 里芋の芽がやっと出た。
 毎年、4月に穴から掘り出した親株を分解し、孫芋を発泡スチロールの箱に埋めて、籾殻をかぶせ、上からガラス板を置いてミニ温室にするのだ。ずっと昔、水をかけすぎて芋を腐らせたことがあった。「失敗は成功のもと」にならないのが、つらい。「失敗は失敗のもと」のままだ。
 今年は?水もかけすぎかも知れない。寒すぎたためかも知れない。5月にニョキニョキ、芽が出てそれを畑に植えるのだが、いっこうに芽が出ない。箱の中のを掘ってみると、腐っていたり、?のままだったり。
 しかたなく、園芸店で種芋を買った。それを畝にじかに埋めたら、やっと芽が出た。あ〜、やれやれ。
 南瓜のつるはだいぶ大きくなった。横に、やまのいもが芽を出していたらしい。引っこ抜いてある。ばあちゃんに違いない。拾って、里芋の続きに埋めておいた。
 ばあちゃんは花を引いてしまう。見ていると、草を引きながら進んで、花に来ると、おおいかぶさるようにして、花をくるくるまわして根元の草を引こうとしている。花が半分ぐらい終わった「ニゲラ」など、根元から引きぬかれていた。せっかく「人参だ」と思ったばあちゃんの手を逃れて、いままで生き延び、花を咲かせていたのに、ね!