連絡帳

 いつもいつも「お元気でした」「歌を歌いました。楽しそうでした」「紙飛行機を作って飛ばしました。一番よく飛びました」というふうな連絡帳。
 ばあちゃんが楽しくデイに通っていることはよくわかり、感謝している。でも、これではばあちゃんの問題点が見えてこない。よそから「すっごい、怒ってたよ!」「とちゅうで、出て行ったよ」と聞かせれて知ることがある。とりつくろっているのかな?などと思ってしまう。
 そこで、連絡帳に書いてみた。「『こまったこと』と『それに対して、どうやったか』と『失敗したか、成功したか』を書いてください。参考にして、家でとりくみます」
 また家での様子も「今まで、最重要は『自力で朝・昼ご飯を思い出す』ことでしたが、もうあきらめて、今は『お箸でつかんで、しっかり噛む』の2点にしぼりました」と。
 さて、連絡帳が帰ってきた。
「入浴の声かけをすると最初は『そんなん行かんでいい』と言いましたが、カバンを渡すと『すまんなぁ』と表情よく行かれました。 レクでは『できんできん、私はあかん』と言いながらも、立ち上がり、紙飛行機を上手に飛ばしておられます。にこやかに過ごしておられました」
 あぁ、これはよくわかる。やっぱり「いやだ」と一応は抵抗するのだ。何事も「そうやな」と言ったためしがないのだから。