鹿

 草刈りの音かまびすし梅雨晴れ間。
 田の稲を何かがかじっている。若い苗の根元からかじっている。バラバラと、茎が水面に散らばっている。「鹿がかじったんだ」と、隣の田のおじさんが言う。「今日で二回目や。畦から近いところで、若い苗だけかじるんや」と言う。
 こんな所に、鹿がいるの? 鹿は少々の柵では、飛び越えてくるだろう。やっかいだな。