じゃがいも掘り 

 保育園の子が、じゃがいもほりに来る。「おじちゃん友達」に言うと、にやっと笑って「先生にもどった気で、遊んできぃ」だって! うっ、あたってる。「はーい!」と言って別れた。
 9時半頃にやってきた。
 3月末に開園したばかりの「ぽぽ保育園」の子ども達だ。5歳児が3人と、先生が2人だ。一人は若い男の先生だ。
 じゃがいもを掘った。じゃがいもの木を持って「えいっ!」と引っ張ると、木にひっついて、いもがごろごろ出てくる。「今年は雨が少ないので、小さいよ」と言う人がいたが、本当だ。小さいいもが多い。それでも、子ども達は「さつまいも掘りはしたことがあるが、じゃがいもは初めて」だ。「大きい!」と言って、喜んでくれた。まぁ、お店で売っているものよりは大きいのだから、いいか。「まだ、土の中に残っているよ、ほってごらん」と言うと、一生懸命掘っている。あとから、スコップで掘ってあげると、「あった、あった」と喜んでくれる。これは、メークィーン。
 赤じゃがいもを掘った。こちらは、よくできていた。男爵系の丸いいもだ。「じゃがバター」のように、ふかして食べる。綺麗な色がもったいないから、カレーにはしないでね。
 にんじんのところに行った。葉っぱに「キアゲハ」の幼虫がいた! 緑と黒のしましまだ。「ツンツンしてごらん」と言うと、一人が、もう葉を食われて軸だけになった「茎」を取って、ツンツンした。幼虫はオレンジ色の角を出す。「くさ〜い!」 あはは、臭いでしょ。これで敵を追っ払うんだよ。繰り返し、ツンツンしていたら、男の先生が「角が出ないように、おさえてごらん」と言う。茎で、横から幼虫の頭をおさえてみると!角が出せない!幼虫は身をよじって、丸くなった。怒っている! あはは。初めて見たわ。「にんじんの葉を入れたら、飼育箱で飼えるよ」と言ってみたが「ここにおいておく。このにんじんは、ひかないで、幼虫に残しておく」と言って、他のにんじんを引いた。
 アスパラガスは、もう時期が過ぎたか、小さいのと細いのばかりだったが、初めてだから、ポキポキ折ってみた。
 なすやトマトは、保育園でも植えているらしい。普通のなす・長なす・緑色のなす・きゅうりを収穫した。
 ミニトマトは、赤くなるのを待てないらしいばあちゃんに、もぎ取られてしまっていた。
 「これで、おしまい」池に行って、手を洗ったり、お茶を飲んだり、カエルを見たりした。
 ところが! お気に入りは「一輪車」だった。一人ずつ乗って、先生に押してもらったり、先生を乗せて押してみたり、3人一緒に乗って先生に押してもらったり、広い通路をあっちへ、こっちへ、ずいぶん長いこと、子供らの声がひびいていた。
 私は知らん顔して、菊に支柱を立てていた。子供らが「おばちゃん、ありがとう」と言いにきた。自然にあいさつができて、かわいい。「また、さつまいも掘りにおいでね」